日本全国、津々浦々に点在する温泉名所を、紹介していきたいと思います。ただ訪れて温泉に入り、「気持ちよかったなあ」で終わるよりも、それぞれの温泉地が持っている歴史等を事前に学んでおいた方が、より趣きの深い旅になりますよ。今回は、兵庫県の有馬温泉をご紹介します。
有馬温泉は、豊臣秀吉によって再建され、最も愛された日本最古の温泉として有名で、「日本書紀」にも登場する歴史ある温泉です。関西の都である大阪、神戸から一時間ほどの近距離にありながら、自然豊かで関西の奥座敷と呼ばれる六甲山麓の温泉地です。
有馬温泉は、三古泉・三名泉の一つで、泉質は赤く褐った塩化ナトリウム泉の「金泉」と、無色の炭酸泉「銀泉」の2種類です。有馬温泉のお湯は、遠く南の海底へ潜り込んでいるフィリピン海プレートから、有馬の地下で分離された水が上昇し、有馬温泉の「金泉」となって噴出していることが近年、判明したそうです。
「金泉」と「銀泉」を交互につかれば、泉質の特性を活かし、相乗効果があります。そんなことから、有馬温泉の見所として「源泉めぐり」が人気となっています。
それらは天神泉源 、有明泉源 、炭酸泉源、太閤泉(飲泉場)、極楽泉源 、御所泉源 、妬(うわなり)泉源です。温泉名やゆかりのある歴史をのせた順路ガイドに従って、歩いて巡っていきます。「金泉」の味は、しょっぱく、「銀線」はピリッとした炭酸独自の味がします。この炭酸泉は、昔は「鳥類、虫、けだものがこの水を飲めば、たちどころに死すなり」と言い伝えがあり、毒水として近づくのも禁止されていました。しかしながら、明治8年に内務省司薬場が検査をすると、飲料水として大変、優れていることが判明したのです。この炭酸泉は「鉄砲水」とも呼ばれ、やがて日本の「サイダー」の誕生につながるわけです。
歴史の重みのある、大変興味深いお話ですね。



